真っ黒な感情が、脳を支配している。そして、その感情が分からず、体が動くままに、自分の目の前で寝ている人へと手を伸ばした。
「……?」
さらりと頬を撫でてやると、眠りは浅かったのか気だるそうに目を覚ます。
「……ん?」
暫くは何が起きているのか分からず、ぼーっとしていた彼だが、目の前の男と、周りの光景の異常に気が付くと、表情を強張らせて飛び起きた。
「なんだ……これは」
──禍津稲葉市。
「ねえ、堂島さん……貴方の良く知る街じゃないですか」
「足立……説明してくれ! 訳ががわからん」
異次元に連れて来られた堂島は、頭を混乱させている。
上半身だけ起き上がらせた堂島の事を、足立は涼しい顔で見た。
口角を吊り上げて、何言ってるのと呟く。

「ここは稲葉市でしょう」
「な、何言って……」
ふと、目に入った光景に口を閉ざす。
あれは、酒屋ではないか?殺害された小西の……
いや、見間違いか?
それにしても……
「……何だ、ここは」
「だから、さっきから言ってるじゃないですか」
「こんなの……こんなの夢だろ? なあ、足立……んっ」

夢だ?
笑わせないで下さいよ。

「貴方が夢だと思うなら、夢でも構いませんけどね」
状況把握が出来ず、夢で片付けようとした男の唇を、己のそれで無理矢理塞ぐと、力任せに堂島を押し倒した。
馬乗りになると、足立は冷ややかな視線を、自分の下にいる男に投げつける。
「……な、何するんだ! 足立、あだ」

うるさいよ、とは言葉にせず、代わりに口を塞いでやる。
苦しそうに呻く男の姿を見て、何故だか黒く渦巻く感情が大きくなった気がした。
加虐的な笑みを浮かべると、
「──っう」
堂島に思い切り頬を殴られた。
「お前、何してるかわかってんのか!」
いつもと同じ怒鳴り声が、禍津稲葉市に響き渡った。只、いつもと違うのは立場だ。

足立は突き飛ばされそうになったが、素早く堂島の胸元を掴むと、ぐいっと引寄せ、地面に押し付けた。
ゴン、という鈍い音がした。
堂島が痛みに呻いている。

「大丈夫ですよ。僕が一生ここで貴方の傍に居ますから……」
頭を打ったのか、暴れる力を無くした堂島が足立を睨めつける。
足立は気にせず、馬乗りになると、堂島に再び唇を合わせた。
苦しい、と足立の胸を叩くので唇を放すと、堂島は


訳がわからない。何でこんなことをするんだ、と溜め息を漏らすように呟いた。
「なんで……?」



それは




「貴方が好きだからですよ、堂島さん」




そう、この気持ちは
偽りでは無い筈……


(──ずっと、ここで貴方を愛してあげます)


足立は、苦痛に顔を歪める堂島を抱き起こし、首筋に口付けを落とした。




FIN.





────────
読みにくい\(^o^)/
独占欲ww
足立が怖い完二になりました(笑
足堂は初です。こんなんしか思いつかない……
黒足×白堂って良いですよNE☆←


09/02/04
文章修正


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