主人公=伊月
2月1日の夜10時30分に、ある人物から電話がかかってきた。
電話の内容は、これから近くにある公園にて、会いたいと言う事だった。
相手はそれだけ伝えると「待ってますから」と最後に呟き、電話を切ってしまった。
一方的な誘いに腹が立ったのだが、こんな寒い夜に公園で待っているのかと思うと、様子を見に行ってみたくなる。
その程度なら良いかと思ったのだ。
約束(一方的にだが)した時間は22時45分だったが、足立は床に放り投げてあるコートを掴むと、きっかり45分に家を出た。
こんな寒い夜の公園に人影はあいつ位しか無かった。
呼び出した奴──伊月は、時間ぴったりに来たのか、わざと遅れた僕を、ベンチに座って待っていた。
入り口から、その後ろ姿を確認出来た時は、帰ろうかと思ったのだが、背が震えているように見えて、つい、歩み出してしまう。
僕は、いつからこんなに御人好しになったのだ、と溜め息を漏らしつつ、近寄った。
「何か用? ホント、君は暇だね」
僕が声を掛けると、伊月は顔をあげて、自分が座っているベンチを指差す。
ベンチに座れということだ。
僕は、指示されるがままにベンチに腰を下ろすと、ひやりとした感覚が臀に伝わった。
その感覚に思わず身震いをする。
こんな寒いのに外にいるこいつを見ると、改めて暇だねと呟いてしまった。
「いえ、……今日は足立さんの誕生日だなあって」
どうでも良い呟きだったが、伊月はそれに対して返答した。
返答の内容に足立は首を傾げる。
「……そうだっけ」
もう、誕生日なんて忘れていた。
そんな事、どうでも良いじゃないかと思いながら、僕が伊月に目を向けると、伊月は僕を見ていたらしく、目が合った途端に微笑み返された。
「そうです。足立さんがまた一つおじさんになる為の日です」
微笑みと共に余計な言葉も返される。
「嫌な言い方するね、君は。どうせ君だってあと少ししたらおじさんになるじゃない」
「その時貴方は何になってます? おじいさん?」
爽やかな笑みと嫌みを投げつけてくる伊月に足立は、苛立ちを感じた。
ああ、これなら……
「……来なければ良かった」
後悔してももう遅いのだが、こいつから呼び出しされてろくな事は無いと分かっていたのに。
「足立さん、言葉が足りないですよ」
挑発するように伊月が再び微笑みながら、要らぬ言葉を寄越してきた。
挑発だと知って、乗る訳にはいかない。
足立は握りしめた拳を震わせながら必死に笑みを返した。
勿論、心の中では呟かずにはいられない。
(この、クソガキが……)
こんなやつ寒い公園で震えていれば良かったんだ。
僕はそんな姿を思い浮かべて、温かい風呂に浸かっていれば良かった。
煮えたぎるような思いを必死に抑えていると、伊月は飽きずに話を切り出す。
「足立さんも言葉が足りないと思いませんか」
何を言うかと思えば、また僕を馬鹿にするつもりか。
「もう、君から受けとる言葉なんて無いね」
呆れた様子で足立は伊月から視線を外して、公園内の時計にそれを移した。
いつの間にか23時になっていた。
随分と無駄な時間を過ごしてしまったようだ。
そろそろ帰りたくもなり、ベンチから立とうとした途端、伊月に腕を引っ張られる。
驚いて振り向くと、やはり彼はにこりと笑ったままだった。
ここまで癪に障る言動をされると、怒りを顕にせざるを得なくなる。
足立は流石に怒ろうと口を開いたが、それを制するように伊月も口を開いた。
「誕生日おめでとう、足立さん」
「……最初からそれを言えばいいじゃない」
もう、伊月の身勝手さには怒りを通り越して呆れしか感じなかった。
だが、おめでとう言われて悪い気はしない。
足立は祝の言葉に感じた嬉しさを隠すように、盛大な溜め息を吐き、手を振り払った。
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足立、誕生日おめでとうv
うちの主人公にいじめられて下さい。
主人公はだいたい私です(笑)
足立を翻弄します。
主足はギャグ寄りが好きかな。
ラブラブなんか認めないw
足誕生日「堂足ver」も書きたかった……
いやいや、なんか読みずらくてすみません。
因みにこの後主人公の家に泊まって、アッー!ですが、なにかw
09/01/29
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