「おい、腕から血が出てるぞ」
「この位気にしないピョロよ」
「……貸せ」



'どうでも良い筈なのに'



数分前まで戦場を駆けて居た訳だが、撤退命令により、野営基地まで戻ると、ハスタも戻っていた。
奴はやけに長い槍を右手に、仰向けに寝転んでいた。
一応同じ隊の者なので、声を掛けてやったのだが、返事が無かったので、眠っているのかと近づくと、左腕から血を出している事に気づいたのだ。
かすり傷ならば勿論放っておいたのだが、袖が血で赤く染まっていたので思わず再度声を掛けてしまう。
「腕……血が出ているぞ」
「こんなの放って置けば直るんだポン」
ハスタはこちらから顔を反らして、ぶっきらぼうに構わないでくれオーラを出している。折角の俺の心配を無駄にするような、ハスタの言葉に、何故か苛立ちを感じる。
俺は、静かに息を吐いているハスタの袖を捲って、露になった腕の傷を突いてやった。
結構力が入ってしまったようで、ハスタは驚いて肩をびくつかせる。
「いっ、痛い! 痛い! ……リカルド氏、ひどい」
本当に痛かったらしく、ハスタは身を捩って逃れようとしたが、俺は腕をしっかりと押さえ付けて放さない。
「傷が酷くなったらどうする。大人しくしてろ」
「……ううぅ。リカルド氏の攻撃で傷口が広がるんだりゅん」
既に涙目のハスタをしっかりと押さえ付け、血を拭き取り、消毒をして包帯を巻いてやった。
消毒をしている最中は、しみるのか苦痛に顔を歪めながら奇声を発していた。

簡単な作業だったが、元々は元気な奴だから、そのうち治るだろうと思う。
「出来たぞ。利き腕じゃなくてよかったな」
武器を握り、闘うものは利き腕が故障すると、なかなか不便だろうという意味を込めて、言ってやるとハスタは怪訝そうな表情を、一瞬だけ浮かべ、口を開く。
「……いやん、リカルド氏、心配してくれたの?」
俺は残りの包帯を手にして立ち上がる。
「無駄口を叩く暇があるなら、起きて働け」
それを、仰向けになったままのハスタに投げ付けて、片付けろと一言告げた。


(俺はいつからこいつに甘くなったのだ)


─────────
オチとかないですようん。優しいリカルド氏をかきたかっただけです。
てか、こんな治療ないですよねww
ヒールとかは、使いません!←

ツッコミ所満載ですねw

090320


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